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systemd unit fileでは%のエスケープが必要

·894 文字·
技術解説
komori-n
著者
komori-n

systemdのunit file内で%を使いたいときは%%とエスケープしなければならない。

Proxy接続が必要な環境でDockerを使う状況を考える。Docker公式ドキュメントでは、systemdのunit configuration fileに環境変数を書く方法が説明されている。

serviceの起動時に環境変数HTTP_PROXY, HTTPS_PROXYを設定する。環境変数を自動で設定させるためには、/etc/systemd/system/docker.service.d/http-proxy.confに以下のようなファイルを用意すればよい。

[Service]
Environment="HTTP_PROXY=http://proxy.example.com:80"
Environment="HTTPS_PROXY=http://proxy.example.com:80"

多くのシェルコマンドのProxy突破方法と同様に、HTTP_PROXYHTTPS_PROXYに対しProxyのURLを設定する。dockerdは起動時にこれらの環境変数を参照し、指定されたProxyを介して通信を行うようになる。

URL、user、passwordの中に特殊文字が含まれている場合はエンコードが必要になる。例えば、次のような user/password のいずれかに特殊文字が含まれるケースを考える。

passwordに特殊文字が含まれてるため、エンコードが必要になる。エンコードを行うと、設定すべき環境変数はHTTP_PROXY=http://user:p%40ssword@33.4.33.4:8080となる。

ここで、エンコードした文字列をそのままunit configuration fileに書いてもうまく行かない。

$ cat /etc/systemd/system/docker.service.d/http-proxy.conf
[Service]
Environment="HTTP_PROXY=http://user:p%40ssword@33.4.33.4:8080"
Environment="HTTPS_PROXY=http://user:p%40ssword@33.4.33.4:8080"
$ sudo systemctl daemon-reload
$ sudo systemctl restart docker
$ sudo systemctl show --property=Environment docker
Environment=
# ↑ Environment=HTTP_PROXY=http://... と表示されてほしい

実は、%はunit configuration file内ではSpecifierとして用いられる記号なので、さらにエスケープして%%と書く必要がある1

$ cat /etc/systemd/system/docker.service.d/http-proxy.conf
[Service]
Environment="HTTP_PROXY=http://user:p%%40ssword@33.4.33.4:8080"
Environment="HTTPS_PROXY=http://user:p%%40ssword@33.4.33.4:8080"
$ sudo systemctl daemon-reload
$ sudo systemctl restart docker
$ sudo systemctl show --property=Environment docker
Environment=HTTP_PROXY=http://user:p%40ssword@33.4.33.4:8080 HTTPS_PROXY=http://user:p%40ssword@33.4.33.4:8080

このように、%%%に置き換えればうまく環境変数を設定できる。

HTTP_PROXYはProxy環境で作業していればよく現れる作業であるが、普通のシェル上ではエスケープが不要なので、unit configuration fileでのエスケープはついつい忘れてしまいがちである。

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