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他関数に応じてnoexceptにしたりしなかったりする

·426 文字·
技術解説 C++
komori-n
著者
komori-n

noexcept例外仕様とnoexcept演算子の話。

C++で関数を定義するとき、参照している関数がnoexceptなら定義する関数もnoexceptにしたいことがある。

int hoge(Piyo p) noexcept /*<- fuga(p)次第*/ {
    return fuga(p);
}

このような場合、以下のように書く。

int hoge(Piyo p) noexcept(noexcept(fuga(p))) {
    return fuga(p);
}

例外仕様に noexcept(noexcept(fuga(x))) と書く。初見だと多大な違和感を抱くかもしれないが、2箇所の noexcept はそれぞれ意味が異なる。外側の noexcept は例外仕様指定子(カッコの中がtrueならnoexceptになる)として、内側の noexcept は演算子(カッコの中の式が例外を投げないなら true になる)としてそれぞれ用いている。

ちなみに、これがムーブコンストラクタや代入演算子であれば、type_traitsを用いることで少しだけ見やすい形で書き直せる。

Hoge::Hoge(Fuga&& fuga) noexcept(std::is_nothrow_move_constructible<Fuga>::value)  // Fugaがnoexceptでmove構築可能ならこのメソッドもnoexcept
    : fuga_(std::move(fuga)) {}

moveコンストラクタはついつい何も考えずnoexceptをつけてしまいがちなので頭の片隅に留めておきたい。

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